相続の大まかな流れ

人が亡くなると、多くの場合はそれと同時に相続が始まります。
故人が保有していた財産を遺族が分け合うのです。
この相続をしっかりと行わないと、遺族同士で不必要な揉め事になるケースもあり、中には調停や審判にまで発展してしまうケースもあります。
故人が安らかに眠れるよう、きちんと相続をこなしたいものですよね。
そこで今回の記事では相続について、その大まかな流れを解説します。

参考:https://support-sozoku.com/supportcenter/

被相続人(亡くなった人)が亡くなり、最初にするべきは医師に死亡診断書をもらったり、役場に死亡届を提出したりといった手続きになります。
それが終わったら、葬儀や火葬です。
相続に関わる手続きをスタートさせるのは一般的にそれらが終了した後になります。

相続をスタートさせる際に最初に行うべきは、遺族の意思決定です。
被相続人が亡くなると相続人(相続を受ける遺族)はプラスの財産もマイナスの財産も全て引き継がなくてはならないと思われがちですが、そんなことはありません。
「自分は相続をしない」という選択肢もあるのです。
これを「相続放棄」と言います。
相続するのか、相続放棄するのか、この意思決定をすることが何よりも先決でしょう。

それとほぼ同時に行うべきなのが、遺言状の有無を確認することです。
日本は法律で「法定相続人」というものが決められており、通常はその法定相続人に該当する遺族が遺産を引き継ぎます。
しかし遺言状の内容によっては、法定相続人以外の第三者が全ての遺産を引き継ぐこともあり得るのです。
それほど遺言状と言うものは絶大な効力をもつ書面なので、これの有無は最初に確認しておきましょう。
参考サイト→遺言書のメリットについて

次は法定相続人の確認です。
法定相続人の中に相続放棄した人がいた場合、その人は法定相続人ではなくなりますよね。
法定相続人の全員が相続するのか、相続放棄する人がいるのか、確認と確定をしておく必要があります。
その場に居合わせている法定相続人が知らない法定相続人が存在しているケースもあります。
故人に隠し子がいた場合などです。
そういった可能性が考えられる場合には、戸籍などで調査する必要があるでしょう。

法定相続人を確定させたら、その相続人同士で協議を行います。
いわゆる「遺産分割協議」です。
遺産分割協議では、法定相続の通りに財産を分与するのか、そうでないかを決定します。
法律では法定相続人に順位と言うものがあり、配偶者、親子、祖父母や孫、といった順番で引き継ぐ財産の割合が決まっています。
その順番の通りに財産分与するのであればとくに難しいことはありませんが、それに不服がある人がいた場合などはトラブルに発展しやすいですよね。
協議をしっかり行い、法定相続の通りに相続を行わない場合は「遺産分割協議書」を作成しましょう。

ちなみにこの遺産分割協議を行うには、遺産がどれだけあるのか、その評価金額はどの程度なのか、と言った部分も明らかにしておかなければなりません。
土地などの不動産が含まれていれば後に相続登記を行う必要がありますし、遺産の総額が3600万円以上であれば相続税が発生する可能性も出てきます。
十分に調べてから遺産分割協議を行うようにしましょう。

この遺産分割協議の際には、同時にどのような形で相続を行うのかも決定しておく必要があるでしょう。
法定相続人が相続放棄をせずに相続をすると決定した場合、単純承認と限定承認という二つの選択肢があります。
単純承認とは、単純に財産を全て相続することです。
この財産を全て、というのは、プラスの財産はもちろんマイナスの財産も含まれます。
どれだけ被相続人に多額の負債があろうとも、単純承認を選択したらそれを相続しなくてはならなくなるのです。

限定承認の場合は万が一被相続人にマイナスの財産が有った場合、そのマイナスの財産の清算にプラスの財産をあてて、プラスの財産が残ればそれを取得することができる選択肢です。
もしもプラスの財産がマイナスの財産に及ばない場合にも、マイナスの財産の返済義務を負わなくても済みます。
とても便利な選択肢ですが、そもそも手続きが非常に難しいですし、法定相続人全員の同意が必要な選択肢です。
マイナスの財産がないことがわかっていれば単純承認を、明らかにマイナスの財産がプラスの財産よりも大きいことがわかっていれば相続放棄を、選択することが一般的と言えるでしょう。
限定承認はプラスとマイナスどちらが大きいのか不明な場合に選ばれる特殊な選択肢なのです。

ちなみに限定承認や相続放棄を選択する場合、その相続人が自分に相続権があることを認知した日から3カ月以内に手続きをしなければなりません。
3カ月を過ぎてしまうと単純承認したものとみなされてしまいますので、十分に注意が必要でしょう。

上記のような調査や協議、意思決定が済んだら、手続きを行います。
限定承認や相続放棄、調停、審判などを行う場合は家庭裁判所、相続登記を行う場合は法務局、相続税の申告をする場合は税務署、といったように、手続きの内容によって足を運ぶべき場所は違ってきます。
管轄の施設も決まっていますし、それぞれに必要書類が違ってきますので、事前に問い合わせておくのがおすすめです。