相続における限定承認とは

相続が発生すると、法定相続人にとって最初の選択肢となるのは「相続するか、相続放棄するか」ですよね。
何らかの事情があって相続放棄を選ぶ人も少なくはありません。
この二つの選択肢のうち、「相続をする」を選択した場合、さらに二つの選択肢から相続の形を選ぶことになります。
それが「単純承認」と「限定承認」です。

単純承認とは、その名の通り単純な相続です。
プラスの財産はもちろん、マイナスの財産も全て相続するという形になります。
プラスの財産と言うのは土地や預金、骨董品などなど、資産としてプラスになる財産です。
これに対してマイナスの財産とは、債務や連帯保証人契約など、相続してもマイナスにしかならない財産を指します。
単純承認を選択するとこのようなマイナスの財産まで全て相続しなければならないのです。

仮にマイナスの財産がプラスの財産を上回っていることが明らかなのであれば、その時点で相続放棄を選択するのが一般的です。
しかし、プラスの財産がかなりあるけれど、マイナスの財産もそれなりにあるかもしれない、というケースも珍しくありませんよね。
このような場合に単純承認を選択すると、もしもマイナスの財産が多かったら損をしてしまいます。
プラスの財産が多かったのに相続放棄してしまえば、やはり損ですよね。

そこでもう一つの選択肢となるのが「限定承認」なのです。
プラスとマイナスどちらが多いか分からないとき、限定承認を選択すると、プラスの財産はマイナスの返済に充てられます。
そして余ったプラス分を相続することができるのです。
仮にマイナスが多すぎてプラスの財産でそれを清算しきれなかった場合も、清算しきれなかったマイナス分の返済義務は負わなくてもよくなります。

ただしこの限定承認は法定相続人全員の同意があって初めて選択することができる選択肢です。
遺産分割協議の際に十分に話し合い、単純承認にするのか限定承認にするのか、しっかりと検討する必要があるでしょう。